はいさい! 風の帰る森 事務局です。
先週に続き、今回は1月(3日〜7日)のプレイベントの様子を書き記したいと思います。2月末ですが・・・
初っ端から最終日に撮った子どもたちとの記念写真を載せてみました。ご覧の通りたくさんの子どもが風の帰る森を訪れてくれました。今回は終始、天気にも恵まれ、大きな事故や病気もなく、ゆったり暮らすように過ごしてもらい、無事に終えることができました。
子どもたちは、福島県伊達市(一部ほか)から15名が参加し、島外ボランティアと同伴保護者など含め、総勢22名が来島されました。
彼らの暮らしている町は、2011年3月11日に起きた東日本大震災に見舞われました。それによって幼少期に外で思いっきり遊ぶことに制限がかけられた状況を体験しています。子どもそれぞれが様々な状態にある中で、冬休みを利用して遠路はるばる久米島まで来てくれました。本当に長〜い移動にフェリーで兼城港に到着した時には、皆さんお疲れの様子でした。
子どもたちは到着した日はゆっくりと身体を休め、2日目から島を巡ったり、周辺の公園や浜辺で遊んだり、図書室で本を読んだりして過ごしていました。 「暮らすように過ごす」というコンセプトを共有し、子どもたちがゆったりと思いおもいに過ごしている様子を見ながら、時に話をしたり、一緒に遊んだり、食事をしたり日に日にスタッフとの距離が縮まっていった感じがしました。
毎朝、皆んなで朝食を食べて、その後は図書室で勉強をするという彼らの決め事があり、小学生から高校生まで一緒になって取り組んでいました。受験を控えている子もいて、夜もやっていたり・・・。
彼らが楽しみにしていたのは、やっぱり海でした!見たことの無いような青い海やゴツゴツした岩場があるミーフガー、珍しい形をした畳石、そしてハテの浜など、どの場所にいっても新鮮な空気を吸って、それぞれに気持ち良さそうにイキイキ過ごしていました。
こういった島巡りも楽しんでもらいましたが、子どもたちが最もイキイキ過ごしていた場所は、紛れもなく風森とその周辺にあるフィールドでした。建物前にある野っ原では、竹馬や野球を楽しんでいました。他にもガジュマルやモモタマナの木に登ったり、ボーッとしたりと日頃できないような過ごし方にワクワク感が伝わって、見ているだけで嬉しくなりました。
風の帰る森がある銭田森林公園には、50年以上前に遭った「みどり丸沈没事故」の犠牲者を追悼する慰霊碑があります。子どもたちにも事故のことを話し、追悼の意を込めて皆んなで合掌しました。風化させてはいけないことを彼らもよく分かってくれましたし、彼らが経験した震災についても同様であることをここで深く心に刻み込んだ機会となりました。
皆んなのお楽しみは何と言っても食事です。朝・昼・晩の献立は、サイプレスリゾート久米島の戸嶋料理長のサポートを得て、風森スタッフの池川を中心に一生懸命に考えたものです。毎度「いただきます」と「ごちそうさま」をすることの大切さや意味を皆んなで共有し、出来るだけ皆んなが食べ終わるまで待って、年長の子どもが年少の子どものお世話をしてあげたりしていました。こうして多世代で過ごす貴重な時間の中で、日に日に成長する子どもの様子を間近で見ることができました。
今回も久米島の食材を使ったBBQも行いました。島内ボランティアの方にサポートいただき、屋外にテーブルや椅子を設置してアウトドアな雰囲気も味わってもらいながら、皆んなでワイワイと美味しく盛り上がりました♪
その他では、島の名物おじぃを招き、マーニ(ヤシ科の常緑低木)の筵づくりを皆んなで体験したり、社会見学として海洋深層水研究所へ行き、自然エネルギーである温度差発電の仕組みやそれらを利用した養殖や栽培なども見学しました。
そしてサプライズもありました。その1つは、子どもたちが地元名物を作るために材料を買ってきて手作りしてくれたことです。その名は「霊山漬け」! これがご飯によく合う!スタッフ一同、絶賛でした。このレシピは今後の風森メニューに加えさせていただくことになりました。乞うご期待ください。
4泊5日の日程もあっという間に最終日となった朝、もう1つサプライズがありました。それはお別れをする前に子どもたちからスタッフへ感謝の言葉と、全員からの寄書きをプレゼントしてくれたことです。前夜に遅くまで起きて皆んなで作ってくれていた様子を聞き、本当に胸が熱くなりました。でーじ嬉しーさー!!!
参加してくれた皆さん、風の帰る森へお越しいただき本当にありがとうございました。これから世界の色んなところを巡りめぐると思いますが、ぜひまた風のようにここへ帰って来てくださいね!
今春に正式なオープンを控えていますが、今回も特別に実施するために多くの関係各位に関わっていただきながら終えることができました。新たな1年の始まりにこうした濃ゆい経験をすることができ、本当に有り難い機会になったとスタッフ全員が感じています。まだまだ至らぬ点や改善することがたくさんありますが、やってみてポジティブな点も実感できたり、新たな発見もあったりという振り返りもできました。
風の帰る森では一般の宿泊はもちろんですが、島内外問わず子どもを中心に受け入れる機会も設けていきたいと考えています。どんな子どももその子らしくのびのび過ごせる場所を作ること、そして100年先の子どもたちにも久米島の豊かな自然と文化を手渡すことを大切にし、運営していきます。
近況は出来るだけマメにアップするようにしますので、引き続きよろしくお願いします。
あんしぇー、またやーさい!