「わたし」と100年先の森づくり

わたしたちのMy story

人が自然と共に生き、かつて暮らしの中にあった「島の里山里海」とは

「今」の久米島で生きる私たちにできることは何か。

休耕地を畑として蘇らせる活動を通じて

里山里海について考える「田畑づくりから始まる100年先の森づくり」

地域の方や、島で農家として活躍する若い世代からベテランまで、

たくさんの方々のおかげで「100年先の森づくり」は始動しました。

子どもたちが制限なく楽しめる里地里山を

若い世代が残したいと思える里地里山を

久米島に根付き、農業を通して人に出会い、生きることとは何かを実感している若い世代がいます。

ここではそんな「わたしたち」を紹介したいと思います

中根みすずさん

関西出身で、久米島高校の離島留学生として久米島に移住してきたという

みすずさん。久米島高校では園芸科に所属し、離島留学生たちと共に「じんぶんファーム」という寮生が野菜を育てる取り組みを始めました。

卒業後は、久米島にある地産地承を企業理念とし、農業・健康事業を展開する結人舎に新入社員として入社。

「田畑づくりから始まる100年先の森づくり」でもサポートスタッフとして活躍してくれています。

高校生の頃から「農」に取り組んできたみすずさん、その原点はどこにあるのだろうか..

『自分の思い通りにならない自然っておもしろい』

  • 小さいころは何をして遊んでいた?

『通天閣とか見える大阪の都会で育ってきたんですけど、小さい頃はお父さんから虫取りとかザリガニ釣りとかを教えてもらってて。家族で九州に行ったときは潮だまりで生き物を夢中になって探したり、それが楽しかった思い出として鮮明に覚えてるかな。

だから、小学生くらいからお金を払って遊ぶあそびはあまり楽しいと思えなくて・・・。

USJとかディズニーとか外国にあるものって親に言われててずっと信じてました(笑)

中学生の頃に地図帳を見て、日本にあるって知ったんです。(笑)

  • 自然遊びのどこが好きだった?

毎年、両親の実家がある田舎に行く度に風景や生き物が変化していくのがおもしろかったですね。釣りや虫取りがだんだん上達していって、図鑑を見て捕まえた虫の名前を確かめるのも楽しかったです。自然は人間の思い通りにはいかないものだと思うので、それを相手にするのがおもしろかったんだと思います。

  • 農業に興味を持ったきっかけは?

おじいちゃんがお坊さんでそのお寺がある滋賀県に行った時に境内の中の畑をお手伝いしたりして、それがすごく楽しかったのが1番最初のきっかけだと思います。

  • 農業の魅力って何だと思う?

野菜を作り出す過程に魅力があると思います。野菜が売れるまでには、生産者、売り手、消費者って色々な人が関わっていてそういう人との繋がりや関わりがあることを大切にしたいです。

 久米島は野菜を届ける人(消費者)に直接会えるからこそ、モチベーションになるし、次はこうしていこうっていう改善点も見えやすい。そういう繋がりが見えると1つ1つの作業の意味も変わってくると思うんです。あとは自然って思い通りにいかないから、どうなるかわからない!っていうワクワク感がありますね!

  • 農業をやっていくことに迷いはなかった?

最初は「農業やる、畑が好き!」ってなんか恥ずかしくて言えなかったですよ!(笑)

若い人がやる仕事じゃないってイメージとか価値が低いって見られてる感じがしてたし、同級生にも馬鹿にされたりしてました。だから、そういうイメージを変えていきたいですね

  • 「100年先の森づくり」に関わっていて印象に残っていることは?

子どもたちが大人と一緒に作業していたのが印象的で、理想的な場面でした。

学校で活躍できていなくても、畑っていうフィールドで楽しめる子がいたらいいなって思って。子どもたちに生きていく上での知恵を伝えてほしいなと思ってます。

  • 「100年先の森づくり」がもっとこうなってほしい!っていう点はどこ?

もっと島の子どもたちに関わってほしいかな。本当は島でできることがたくさんあるけど、実際にはできていないことが多いと思う。「何もない島」っていう認識はもったいないから島の良いところを認識するためにも参加してほしいです。

  • 「わたし」のこれから…

今まで新しいことに出会う、人を知る、挑戦してきたことで色々な価値観を知ってこういう生き方もあるんだって気づくことができました。島に来て、親以外の

地域の方がそばにいてくれたおかげかもしれません。だからこそ、今度は自分が「こういう生き方もありなんだ。」っていう存在になれたらと思います。

人も自然も自分の思うようにはならない。だからこそ面白いし、大切にしたい。

自分の思いを持ちながら、挑戦し、学ぶことを恐れない姿勢が彼女自身の道を

作っているのかもしれません。


大宮千典さん


久米島で生まれ育ち、現在、久米島高校生の千典さん。本プロジェクトには、同じく島育ちのお姉さんと一緒に参加してくれました。

好奇心に溢れ、物事に積極的に取り組む姿勢を持つ千典さん。生活の中で、久米島の自然が当たり前にあった彼女にとって自然はどのような存在だったのでしょうか?

『記憶にあるのは

「楽しかった。」と「おいしかった。」』

  • 小さい頃はどんな子どもだった?

小学校の時は放課後、帰りにランドセルを持ったまま、遊びに行ってましたね。

 先生には危ないから子どもだけで行くなって言われていた海とか川とか。

 楽しかったことはたくさんありました!釣りしたり、サトウキビ畑の中を通って帰ったり・・。私有地なので本当は入っちゃいけないんですけど(笑)

  • 子どもの時の体験で記憶に残っていることは?

小学校の時にジャガイモ掘りをしたこととか地元の人が講師になって黒糖作りを

体験したことを覚えています。実際にサトウキビを刈ったりもして。

「楽しかった」「おいしかった」っていう記憶が残ってますね。

  • 「100年先の森づくり」に参加したきっかけは?

高校のショートホームルームで先生から紹介されて風森のイベントのことを知って参加してみようと思いました。農業にはもともと興味があった方ではなかったですね。

  • 参加した感想は?

農業をきっかけに、知らなかった人に出会って、色々な生き方や人生を知れるのが楽しいです!活動に参加してみて、久米島のポテンシャルをや可能性を感じました。将来、もしできるなら島でお茶の専門店とかやってみたいです!

  • これからも農業に関わりたいと思う?

大人になってからも農業には関わっていきたいです。農業を一から始めるのはとても大変なのに、島にいる先輩たちはそれを久米島で実現していてすごいと思いました。

  • 島の後輩たちにメッセージを!

今、私は住んでいるのが親元ということもあって本当にやりたいことを

させてもらえているなと思います。
中学生や高校生の今こそやりたいことはやっておくべき!!

久米島の中のこと、外のことに興味を持ち、羽ばたこうとしている千典さん。

ワークショップへの参加を通して、島に関わってきた先輩たちと活動したことが

またひとつ彼女の「やってみたい」に繋がったのではないでしょうか。

これから色々な世界を見て、彼女らしく人生の選択をしていくのだろうと思うと

こちらもわくわくしてしまいました。

彼女を通じて見える畑から広がる世界は、

思っていたよりも大きくて、

色鮮やかなものだと感じました。



高橋芽衣さん

溌剌とした笑顔が印象的な高橋芽衣さん。現在、久米島高校生です。

埼玉県出身の彼女は離島留学生として久米島にやって来ました。

次に来る瞬間を楽しく過ごしたい。彼女のキーワードは「楽しそう」でした。

島の人に触れ、自然に触れ、楽しみながらも、冷静に周りの環境を見ることが

できる芽衣さん。彼女の目に映る「久米島」とは?


『食べたものが自分の身体をつくる』

  • 久米島高校に進学しようと思ったのはなぜ

地元の近くで高校を探していたけれど、学校の雰囲気が楽しそうじゃなくて

行きたいところがないって思いました。そんな時に学校で「離島留学」って言葉を聞いて、家族旅行でよく来ていた沖縄に住めたらいいなと思ったことがきっかけです。

  • 実際に島に来てみてどうですか?

人の優しさをとても感じましたね。面白い大人がいるなーと思いました。

出会った人で印象に残っているのは、保久村昌欣(ほくむら しょうきん)さん!優しくて、色んなことを知っていて面白いなぁと思いました。

「100年先の森づくり」ワークショップ講師としてレクチャーする保久村昌欣氏


  • 島に来てどんなことを経験しましたか?

じんぶんファーム(寮生が管理する畑)、組踊りのダンサー、アメリカと日本を繋ぐ架け橋プロジェクトに参加しました。やりたいって思ったことはすぐにやっていますね。

  • 子どもの時の思い出は?

家の近くにある自然に囲まれている大きな公園でよく遊んでいました。

泥を食べたこともあります(笑)外で走り回ってたって感じですね。

小学生の時は、神社の観音様の裏山に毎日友達と行ってました!秘密基地みたいな感覚ですかね。動物が好きで、家でいろいろ飼ってました。(ウサギ、犬、めだか、猫、ハムスター)中学生の頃はテニス部で、有志でやる陸上と水泳の大会にも出てました。それくらい運動は好きです!

  • 農業には興味ありましたか?

 そんなにあった訳ではなかったですね。

  • 「100年先の森づくりワークショップへ」に参加したきっかけは?参加してみてどう?

 プロジェクトのことを知った時に『人の手を加えながら自然の再生を図る』という部分に魅力を感じて参加してみようと思いました。

実際に参加してみて、自分で育てた!っていう実感はあまりないけど、食べたものが自分の身体をつくるっていう意識があるから、自分で作った野菜にすごく

安心感を持てました。


  • 将来はどんな道に進もうと思ってる?

 将来はまだどうするか具体的には決まっていません。でも、語学や文化、環境に興味があるので、その分野を学べる大学を志望しています。

  • どんな大人になりたい?

「自分の好きなことをやっていて、楽しそう」な大人がかっこいいなって思います。出来なかったことが出来るようになることが好きなので、自分をどんどん成長させていきたいと思います。

 彼女が考える「楽しい」は心が踊る瞬間のことだけではなく、

自分の限界を超えて、何かを成し遂げた時に感じる、その感覚も「楽しい」ということがわかりました。

「どうして一生懸命やらないでいられるの?」と言わんばかりに、久米島で

パワフルに活動する芽衣さん。

農業にはあまり興味がなかったと言いますが、活動を通して面白い出会いがあったこと、人との繋がりを感じることができたと言います。

自分が作ったもの、そして作る人に思いを馳せるきっかけになったのではないでしょうか。